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高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
平成25年4月 Vol.10
管理会計について
「経理」とは本来は「会社経営を管理」する「経営管理」のツールです。しかしながら現実には税務署や銀行に提出する決算書、申告書作成のための経理になっているのが実状です。私たちの努力不足も反省し、少しでも経営管理である「管理会計」について説明させていただきたいと思っております。今後いろんな「管理会計」のテーマについて事務所通信で解説していきたいと思います。
値引きはどこまでしてもいいのだろうか?(売価と利益の関係)
今回のテーマは売価を変更することによりどれくらい利益へ影響を与えるかを考えてみたいと思います。以下質問を記載しましたので一度考えていただきたいと思います。答えは裏面ですが、結構びっくりされると思います。
☆質問
以下のような会社(売価2,000円の商品を年間2万4千個販売)が売価の20%値引きを行ないます。この場合、同じ利益を確保するのに売上数量をいくら増やさなければならないでしょうか?
売上高 | 4,800万円 |
原価 | 2,880万円 |
粗利 | 1,920万円 |
経費 | 1,600万円 |
利益 | 320万円 |
☆回答
2,880万円÷24,000個=1,200円
2,000円×0.8-1,200円=400円
1920万円÷400円=48,000個
なんと売上数量を2倍にしないと同じ利益が確保できないのです。この計算は一個あたりの原価を計算し、売価引き下げのあとの一個あたりの粗利を計算します。同じ粗利総額を確保するための必要売上個数は粗利総額を1個当たり粗利でわります。
このケースでもし値引きをして同じ数量しか売れなければ売上3,840万円、粗利960万円となり、経費を引くと640万円の赤字となります。
売価を変更するときには粗利はどうなるのかを考えることが必要ということです。実際には一つだけの商品の会社は少ないですが、複数の商品を扱っている会社は構成比により全体の粗利も異なってくるので、商品ごとの粗利を把握することなども必要になっていきます。
今月の税務スケジュール
・2月決算法人の申告と納税
・8月決算法人の中間申告と納税(前期法人税が20万円超の会社は、法人税、法人県民税、法人市民税の前期納付額の半分の納付)
・消費税中間申告と納税(8月、11月、5月決算法人は該当することがあります)