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高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
平成27年12月 Vol.42
■在庫管理
在庫は会社にとっては財庫です。売れれば現金が増え財となりますが、売れなければ損失です。在庫が増えると資金繰りが厳しくなります。そのため適正な在庫管理が求められます。
■事業開始時は少額の発注がお勧め
事業開始時に在庫を購入される場合はくれぐれも少額の在庫からスタートすることをお勧めします。売れればまた仕入れればいいのです。
怖いのは売れるという見込みでスタートして売れなかった場合です。確かにたくさん買えばディスカウントがあったり物流費が安くなったりしますがリスクは非常に大きくなります。
■回転率の向上を目指す
資金効率を上げるには高い回転率が必要です。たとえば1個2万円の原価で売価3万円の商品を月に10個売るとしましょう。月に1度まとめて10個発注すると20万円の資金が必要です。5個づつ月に2回発注すると一回の購入資金は10万円です。5個の購入の場合は月に2回転です。利益は同じでも必要な資金が少なくてすみます。
以下は実際の事例です。参考になれば幸いです。
発注回数の増加による在庫削減
A社は3,000種類もの商品を扱う会社ですが社長自ら月に1度だけまとめて在庫発注をしていました。そのため在庫金額が常に大きく資金繰りが悪かったので、せめて週に1度の発注にすべきと提案し結果的に在庫金額が半分近くまで削減できました。
輸送方法の検討による在庫削減
B社は在庫が多く資金繰りの悪い会社でした。理由は会社設立後、販路も未開拓なときに海外から大量の在庫を1コンテナで購入していたからです。目先の物流費にこだわったためです。
物流費も一つの要素ですがリードタイム、資金繰りなども重要な経営の要素です。それ以上に売れなければ損失です。経営はバランスということを理解いただき売上が確実に見込めるまではエアでの少額の購入に切り替えました。
これにより物の到着までのリードタイムと在庫金額の削減になり資金繰りも改善しました。物流の方法一つを見ても会社にとってなにがベストかを検討しましょう。