高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
平成28年3月 Vol.45
■下町ロケット佃製作所の強み!
プレジデントオンラインで面白いコラムを見つけました。それは昨年テレビで話題の中小企業の奮闘を描いた「下町ロケットの秘密は給料制度」というものです。結論からいうと昔からの日本的経営の終身雇用を是とする内容でした。
佃製作所の強みは社長のリーダーシップやコミュニケーション能力もあるがテレビに出てこない「人事制度」とされています。日本の中小企業では入社後、人材育成はOJT(職場内訓練)を基本に経験と能力を積んでいきます。生産現場での技能はもちろん事務系でも経理や営業を先輩に教わりながら技能向上させます。真面目に努力すれば自然に能力も伸長し給与も上がる。これが年功的賃金です。大企業に比べ給与水準は低いですが中小企業は長く働けるとされています。60歳をすぎても部長職を続け、70歳近くまで働く人もいます。佃製作所のような下請け企業の従業員の活躍を支えているのは決して多くはないものの家族を養える給与をもらい、長期雇用によって安心して働ける環境が整備されているからとこと。さらにもう一つは社長の顔が見えるところで働けるのが重要と書かれています。
一方大企業は2000年ごろから終身雇用が崩れ欧米型の早期退職制度などが導入されました。この弊害として優秀な上場企業の技術者が外国企業などにヘッドハントされ、会社の重要な技術が流出したこともあるようです。これはちょうどITバブル崩壊のタイミングでこれまた欧米の株主至上主義で短期の利益ばかり求めることにもよるといえます。大きな会社ほど大きな雑巾と同じく絞れば絞るほど水が出ます。人を削減し翌年からV字回復するということがたくさんの会社でありました。
私もこの記事に共感できるのは社員を大事にする中小企業の活躍だからです。すべての中小企業がそうとはいえませんが、日本の年功的賃金は従業員の生活を保障し、安心して仕事ができるいい仕組みです。仕事にやりがいがあり、仕事を通じて自己の能力を高めそれが給料にも反映されるという仕組みです。テレビでは徹夜で働くシーンもあり、追い込まれた場合はなにがなんでもやり遂げるシーンもありましたが、きっと普段は仕事と家庭やプライベートとの両立などが想像できますね。