高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
平成29年11月 Vol.65
■会社に必要なお金(運転資金)はいくら?
よく運転資金といいますが、毎月の仕入や給料、経費などの支払のための必要資金のことです。たとえば毎月の売上200円、仕入200円としましょう。1月に仕入れた物が2月に売れて回収は2か月後の4月という設定です。その場合4月になれば200円入りますが2月、3月にそれぞれ200円のお金がいります。その資金として400円が必要となります。その分を通常運転資金として借入などを行います。この状態だと4月末から毎月入金と出金が同じになりますが借入金は常に400円残っています。
これを経理的にいえば売掛金400円+在庫200円-買掛金200円=400円です。この400円が運転資金で借入金で補われています。
実際には過去からの利益の蓄積があれば借入金が必要ないこともあります。反対に赤字であれば上記運転資金に赤字による資金不足の借入も必要です。
■多めにお金を借りる?
数年前に中小法人向けのコンサルタントとして有名な株式会社武蔵野の小山社長の話を聞きました。非常に興味深かったです。中小法人はいつお金を借りられなくなるかわからないので常に多めに借りておくべきとの話でした。実際武蔵野さんは多額の借入がありそれ以上の現預金があるとのことでした。安心のためにあえて非効率なことをしているといわれていました。
これは私にとっては驚きでした。株式を公開している大企業では多額の現預金を事業に使っていないことだけで厳しい投資家からおしかりをうけます。私も財務の仕事をしていたときはグループ全体で究極まで外部借入を圧縮し現預金を圧縮するために日々活動していました。
お金をどれくらい持つかというのもこのように会社の状況により大きく異なります。私も最近は多めにお金を持っておきましょうとアドバイスをしています。もちろんたくさん借りて無駄遣いをするということではありません。ただし原点に戻れば在庫などを圧縮することで必要資金は少なくできます。また利益を蓄積していけば借入金をどんどん少なくすることが可能です。