高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
平成31年3月 Vol.81
■爆買い減速?と販売
先月は旧正月で日本への観光客も多かったですが、爆買いが減速しているという記事がありました。理由は、中国で輸入品のインターネット通販を規制する法律が1月に施工されたとのことでした。資生堂や花王などは、販売網の現地化など中国国内の需要を取り込む事業モデルへの転換を急ぐとの記事です。
私どものお客様は、資生堂や花王ではなくこれらの商品を扱うお客様なので、今回は販売について少し考えてみました。
メーカーが作った商品はさまざまな経路で消費者に販売されます。卸売りの代理店、小売店、専門店やデパート、スーパー、コンビニなどさまざまな流通経路があります。思い出せば、2000年ごろまではなかったアスクルやアマゾンなどの売り方が広がり、問屋さんや町の文房具店がかなり減少しました。町の文房具店もアスクルに加盟せざるをえず、回収の仕事を主に担当するなど仕事の仕方が大きく変わりましたね。
さて最近店舗で小売りを行っているお客様から卸の仕事も増えそうと嬉しい報告を受けました。店舗で小売りだと利幅は大きいですが、それだけでは店の家賃や人件費などの固定費を賄うのもなかなか難しいです。そこで、並行して卸売りもできれば買付けは同時にできますので、卸売りの利幅は少なくともかなり効果がありそうです。商品の流通経路のどこを担うか、足りない部分はどう補うかという話です。
またそのお客様は従来の商品に加えて別な商材も扱われるようになりました。以前の事務所通信でも一度紹介しましたアンゾフのマトリクスの考え方です。商品と市場を既存と新規のマトリクスにわけて既存商品を新市場へ(今回の事例では小売りだけから卸も)、既存市場(店舗)に新商品をという話です。この両方を伸ばすことにより規模の利益や固定費を薄めるなどの相乗効果が得られるのです。
話をインバウンドに戻すと、長年経済が低迷した大阪がインバウンドのおかげでずいぶん回復したとよく聞きます。インバウンドに期待しながらも、爆買いがなくなると次はどうなるのかを考えると美味しい食べ物や体験型のサービスになるようです。
実は私たちも外国のお客様が多く(約20%)インバウンド?のように日本進出のお客様からお仕事をいただいています。私たちは物は売りませんがサービスを売ります。もちろん爆買いもありませんが、日本進出外国企業に日本の経済も支えていただきながら、私たちも支えていただいています。せっかく日本に進出されたので微力ですがお手伝いさせていただき、ぜひ成功していただき定着いただくことを望んでいます。