高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
令和1年8月 Vol.86
■ダイナミック・プライシングとRFID
妻がスマホで飛行機代金や旅行代金をずっと見ています。昨日までのこのツアーがなくなった、値段が変わったなどとつぶやいています。このように頻繁に価格が変わることをダイナミック・プライシングというそうです。最近この言葉を知りました。需要の変化をデータでとらえ最適な価格が決まる仕組みのことです。最近ではビッグデータなどを使いAIが価格を算定するようです。
もともと物の価格は需要と供給で決まりますが飛行機代金やホテル料金などは空席で飛ばす、空室のままにするよりも安くても埋めたいという発想があります。早割ということで早めに申し込むと安いシステムは従来からあったのですが、申し込むときのタイミングで価格が異なります。設備を稼働しないよりも価格が低くても動かしたほうが利益が出るのであれば供給側もプラスになりますし購入するほうも安いサービスの提供を受けられるので満足します。
反対に今年のゴールデンウィークのような10連休では海外旅行が通年よりも高い印象がありました。需要が多いと価格が高くなりすぎることもある印象です。価格の弾力性が高すぎるようです。
飲食店でもハッピーアワーなどがありますが、最近では時間によって価格が変わるお店もあるようです。そのうち電車も出てくるかもしれません。安くなるのはよいですが反対に通勤ラッシュ時は価格が高くなったらとても困ります。
さてダイナミックプライシングでこれから期待されるのは食品廃棄がこれによりなくなることです。身近なところでは閉店間際のスーパーで、当日しか売れない生鮮食料品などは売り切るために閉店前はずいぶんと値段が下がります。コンビニ弁当などは賞味期限切れ廃棄というもったいないことが続いていましたが、経産省主導でRFIDというICタグ(ユニクロやGUの商品にはすでについています。)を使い、ダイナミックプライシングにより大量の商品廃棄をなくそうという動きがあります。AIとRFIDを活用して大量廃棄をなくす取り組みです。
ただしRFIDはコストが高く実現までのハードルはまだまだ高いようです。RFIDのチップは1ミリほどですが1個10円ぐらいするようなのでコスト的にバーコードの置き換えまでは至らないです。これが1個1円まで価格低下できれば一気に普及するとされています。
ただし、ユニクロなどは生産管理や在庫管理(サプライチェーンマネジメント)などにもRFIDを活用しているので経営効率向上に役立っているようです。
我々の小規模事業者には直接関係ないですが、会社経営もこれからはこのようなことも考えていかなければならない時代になったということでしょうか?