高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
令和2年4月 Vol.94
■コロナショックをのりこえる!
前月に続きコロナショックをどう乗り越えるかです。誰もが経験したことのない状況が続いています。先月の続きですが会社生き残りのためにやるべきことを考えました。
★借入金増額
先月も記載しましたが迷うときは早めに借りましょう。多めにお金を持っていてもなんの問題もありません。多少の利息の無駄ぐらいは必要なコストです。日本政策金融公庫や保証協会などで緊急対策があります。それ以外にも貯蓄型の生命保険に加入されている会社は契約者貸付金という制度もあります。また「倒産防止共済」に加入されている方も多いですがこのなかでも一時貸付という方法があります。これらは所有している貯蓄を担保に借入を行うイメージです。
★資産の現金化
つぎに資産の現金化です。特に遊休資産があり現金化できるような場合は処分も検討しましょう。資産所有に伴う固定費も削減できます。キャッシュフロー改善も同じことですが、売掛金、在庫などの資産回転率の改善を目指します。商品で売れ行きの悪く、回転率の悪い物などの販売を取りやめるなどにより在庫の回転率は上がります。商品の品ぞろえの見直しも行います。
中期的な経営の取り組みとしてもいろんなテーマがありますが、まずは目先、お金に変わるのに時間がかかる資産を処分してしまうということは考えるべきかもしれません。損失が出ることもありますが現金を増やすことが優先です。損を出す勇気も必要です。
★経費削減
支出を抑えるという観点からも経費削減が必要です。また当面は市場が縮小して売上が少なくなります。固定費の大きさを少なくなった売上にいったん調整すべきです。固定費とは操業度に関わらす、短期的に変動させられない経費ですが、固定費といえども聖域はありません。家賃やリース料などが代表的なものですが見直し可能かどうか検討します。
私も社会人になってから不況のほうが長かったので経費削減という言葉は嫌になるくらい聞きました。よく「裏紙を使おう」とかいいますがそんなことはおすすめではありません。あまりコスト削減にはなりません。もっと大きなコストを見直すべきです。効率的な経費の使い方を考えましょう。会議などを減らすことによる時間の効率的な活用、営業方法の見直しによる移動時間の削減による営業経費の抑制などは効果が大きいです。
ついでですが、いまだに税金を払うくらいなら経費を使うという方がいらっしゃいますが、大きな間違いです。税金は払っても70%は残りますが無駄な経費はなにも残りません。これらのことは日ごろから必要なことですが、緊急時にはあらためて行うべきことばかりです。ウルトラCはありませんができることから始めましょう。