コロナバブル|横浜市港北区鶴見区で税理士は 株式会社CFO 高橋和徳税理士事務所

コロナバブル|横浜市港北区鶴見区で税理士は高橋和徳税理士事務所

高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。

事務所通信

令和2年7月 Vol.97

■コロナバブル

コロナの影響にも関わらず株価が上昇しコロナバブルと言われたりもしています。今回は少しバブルを考えてみました。

先日、昔の上司より面白い本をいただきました。新潮社版「バブル日本迷走の原点」永野健二著です。著者はあとがきに書かれていましたが三菱マテリアル会長、日経連会長で有名であった永野健さんの息子さんで日経新聞の兜町担当の記者だったようです。

この本は1980年代の後半から始まったバブルを振り返りながら現在のアベノミクスを危惧しています。安倍政権では日本を取り巻くデフレをなんとしてでも脱却させるために、①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略の3つの戦略を実行しましたが、市場は長期的にはコントロールできないとアベノミクスの政策に警笛をならしています。「バブルもデフレも完全に防ぐことはできない。しかしその悪影響をできるだけ小さくすることはできる。その手段は「財政政策」と「金融政策」そして「長期的な構造改革」であり、権力の頂点にいる人間には「英知」と「決断力」「謙虚さ」が求められる」と言っている。

80年代後半から90年代初頭にかけてのバブルの発生とその後の崩壊の副産物としてのデフレ経済があったが、無理やりのデフレ脱却が次のバブルを生みださないかというところに共感を持ちました。政府はなにもしないと無策で許されないし、なにかやるとお金のバラマキでますます財政を悪くしてしまいます。そして負の遺産の後世への先送りという繰り返しです。

この本は戦後日本を支えてきた大蔵省、金融庁、日本興業銀行などのバブル期の失敗などが書かれており非常に興味深く読めました。これらの歴史を知ることによりこれから先にどんなことがおこるだろうと自ら考え行動することが求められます。

85年のプラザ合意後は超金融緩和でしたが、現在の長年続く0金利も必ず弊害が起こるように思えます。お金を供給しすぎるとその国の通貨価値が他国の通貨価値より下がります。ところがいろんな国で通貨供給が過剰であれば世界中のお金の価値が下がることになります。そうするとまた特定の物の価格があがりバブルの芽が生まれます。

残念ながら私はバブルのピークのときに社会人になったのでそれまでのことがあまりわかりませんが、それ以降のことでそういえばと思い当たることが多々あります。過去の失敗から学び同じことを繰り返さないことが賢者の知恵だと思います。

またバブルの始まりもプラザ合意後のアメリカを起因として超円高という外的要因でした。内需拡大がキーワードでした。今回は世界中でコロナという外敵が原因ですが、コロナへの各国の対応がバブルの発生と財政崩壊にならないことを願います。

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