高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
令和2年8月 Vol.98
■「小さな会社の総務人事経理の実務」
今回は経理の本の紹介をさせていただきます。私の入社時の課長で今も親しくお付き合いいただいている近藤仁さんが久しぶりに出版されました。
ナツメ社からの出版で約370ページもある本です。著者の近藤さんは定年まで製造業で経理部長などの仕事をされ、その後はサービス業の会社でも経理の仕事をされました。団塊の世代の方ですが、つい数年前まで現役でした。私もこの方と3度共著で出版させていただきましたが、今回はおひとりで370ページの本を書かれたのでとても驚きました。小さな会社向けで総務・人事・経理などの実務を一人でされている方や社長が自らこのあたりの実務をされている会社などにお勧めです。早速1冊贈呈いただき「宣伝しておいて」と言われました。(笑)
文章は少な目で実際の帳票のサンプルなどもあるので初心者にわかりやすい内容になっています。
総務の仕事領域は①快適な職場作り②リーガルリスクへの備え③取り巻く環境への対応とされています。コミュニケーション能力、温かい業務処理という言葉に共感を覚えました。
人事のパートでは人事の仕事領域として①優秀な人材の確保と適材適所の配置②人を育てる風土作り③成果の評価とそれに報いるしくみの運用とされています。採用、給与計算、社会保険などに関する実務のことが記載されています。
経理の仕事領域は①業績を把握する②資金を有効活用する③予算を統制するとされています。
総務・人事・経理の仕事は地味ですがすべての会社に必要な仕事です。きっちりこなして当たり前だと思いますが効率よくこなさないと会社の運営に支障をきたすので重要な仕事です。最近さみしいことはどの書店に行っても経理や会計のコーナーがどんどん小さくなっていることです。
特に経理の意味は「経営管理」のはずですが本来の経営を管理する目的になっていないことが残念ながら多いのです。AIによる省力化などが話題になるので皆様にとって面倒な仕事と思われている部分もあるのではと思います。
毎年毎年いろんなことが複雑になってきています。この複雑さが会社経営にとって役に立てばいいのですが、どうもそうでもなさそうです。ガラパゴス行政の結果として労務、税制などが複雑になり会社の総務・人事・経理の仕事が増えてきているというような声もあります。もっと会社の売上アップのための仕事をしたいところですが、ぼやいていても仕方ないのでこれらの最低限やらなければならないことを効率的にこなし、さらに会社に役に立つプラスアルファの仕事ができればいいと考えます。