高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
令和2年12月 Vol.102
■株式投資
コロナ禍にもかかわらずアメリカのダウや日本の日経平均株価が上がり続けています。株価は景気の先取りとはいえ、まだまだ先が見えないなか株価だけが上がるのも不思議な気がします。私は株価との関連で唯一見る指標はPERです。株価が企業利益の何倍になっているかという指標です。すごく個人的な感覚ですが20倍を超えてくると少し買われすぎという印象です。
最近の株価はアメリカではPERが20倍を超え30倍に近づいてきてます。アメリカのほうはダウに収益力の高いアップル、マイクロソフトなどが入っておりさらにPERも高いので当然株価は高くなります。日経平均も20倍をずっと割っていましたが今回の上げ相場でPER20倍を超えてきました。
個別銘柄でみると電子部品の会社などではPERがものすごく高い会社もありますが、これらの会社は今後の利益がますます上がってくるということでしょうか?もしくは単に株価が上がりすぎかもしれません。
今年はウオーレン・バフェット氏が日本の総合商社の株式をそれぞれ5%超取得したと話題になりました。バフェット氏は投資の神様として著名な方です。バリュー投資として長期投資をされてきました。そのような方が日本の総合商社株を買われたというのは少し明るいニュースのような気がします。商社株はPBRという一株当たり純資産の倍率では1を下回っています。数値のうえからは会社の帳簿よりも解散価格が低いということになりますが、株価が割安ということです。PBRも一つの指標です。
また有名な話に「美人投票」があります。経済学で有名なケインズは株式投資でも有名でしたが、自分が美人と思う人でなくみんなが美人と思う人に投票すべきとして自分が上がると思う株式に投資するのではなくみんなが上がるという株式に投資をすべきといったそうです。
実経済はとんでもないことになっているにもかかわらず、株価は高値を維持しているのにはコロナ後の再建への期待感もありますが、やはり0金利や過剰な資金供給などによる金余りの影響もあるように思えます。お金の供給過剰により特定のものの価格が上がりすぎているバブルのような状況の可能性が高いです。
不思議なもので高くなると買いたくなるのですが、株式投資をするのであれば好きな会社や興味のある会社の株がよさそうです。これから先に世の中がどうなるのかを予想し伸びていくであろう産業に投資するのもよいでしょう。巣ごもりで家にいながら企業研究するのも面白いかもしれません。そのときには企業が公開している有価証券報告書などを見て勉強するのもよいかもしれません。もちろん株式投資にはリスクもあるのであくまで自己責任です。