高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
令和5年5月 Vol.131
■チャットGPTてなに?
最近新聞やテレビでよく見たり聞いたりする言葉です。アメリカオープンAI社という会社が作ったものとのことです。
私はまだ使ったことないですが、対話型でこれを使うといろんなことをやってくれるようです。それに対して賛否がわかれているような記事をよく見かけます。
この記事を見て思ったのは、以前私が勤めていた会社はファクトリーオートメーションの会社でしたが、工場の製造ラインの自動化を思い出しました。人が作っていたものを機械やロボットで置き換えます。「我々の働きで我々の生活を向上しよりよい社会を作りましょう」という社憲というのがありましたが、「機械にできることは機械に任せ人間はより創造的な活動をすべきだ」と創業者は言われていました。
その後派生的に駅の自動改札機や自動券売機、銀行のATMなども開発されましたが、これらは人間が行っていた仕事を機械に置き換えるものでした。現場で働く人達の仕事の負荷を減らすことがメインでしたが、今回のチャットGPTなどの生成AIをうまく使うと事務職の仕事が効率的になりそうです。
対話をすることでいろんな資料も作ってくれるとはすごい世の中になったものです。一方で間違った解釈で資料などが作られて、そのチェックが十分されないまま拡散されることなどが危惧されています。
私は仕事でよくグーグル翻訳を使います。英語の文章を書くのが苦手なので、日本語で書いて英語に変換します。もちろん変換後の英語も読んで、自分で理解できる内容で先方にそれを送っても通じるだろうと思ったもののみを使用します。
以前ある人が海外の子会社とのやり取りに翻訳ソフトを使い、支払月(PAYMENT MONTH)がPAYMENT MOONになっていました。チェックせずに送られていたので先方はまったく理解できません。日本人の私が見れば「月違い」とわかりますが、そのあともまったく会話がかみ合わずチェーンメールになっていました。
またあるお客様は銀行情報を会計情報に取り込んでいましたが、これも当然チェックが必要ですが、その方はまったくチェックしなかったので無茶苦茶でした。
このように機械やソフトがやってくれたことの確認や検証プロセスがとても重要です。これによりようやくこういったツールも正しく活用できかつ省力化にもつながります。便利そうで楽になるから使うということでは悪いほうに作用する可能性があります。
事務職などは仕事が楽になると同時に仕事がなくなる心配もありますが、逆に考えれば内容をきっちり把握することがこれまで以上に求められるといえるでしょう。私たちの仕事も税金の計算などをソフトがやってくれますがそのロジックや法律の正しい理解が求められています。
新しい技術に使われず、新しい技術を使いながらより創造的な活動を目指しましょう。