既知感(デジャヴ)|横浜市港北区鶴見区で税理士は 株式会社CFO 高橋和徳税理士事務所

既知感(デジャヴ)|横浜市港北区鶴見区で税理士は高橋和徳税理士事務所

高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。

事務所通信

令和6年5月 Vol.143

■既知感(デジャヴ)

34年ぶりの円安と報道されています。私は34年前の1990年は特別な年なのでよく記憶しています。社会人2年目で所属する財務部門が東京に移管され、初めて東京勤務を経験した年でした。

当時の経理財務部門のトップは故人ですが、旧大蔵省(今の財務省と金融庁)から来たキャリアの方でした。私は新入社員で何の知識も経験もなく、その方の言っている難しいことがほとんど理解できなかったことだけを覚えています。

メーカーの経理財務部門は一般的には地味な部門ですが、その方の影響力もあり、また世の中が財テクブームだったので財務が脚光を浴びていた時代でした。新株発行を伴う資金調達(エクイティファイナンス)をして、豊富な資金をどのように運用するかということに焦点があたっていました。事業法人がCP(コマーシャルペーパー)で資金調達し、銀行に預け入れをしたほうが儲かるような時代でした。

私は金利や為替のメカニズムもわからないまま仕事をしていましたが、知らない世界の勉強でとにかく面白かったです。そしてこの年がバブル崩壊の始まりで、イラクのクエート進行などもありました。為替はプラザ合意後1ドル238円が128円まで一方的な円高が進んだのが止まり、145円くらいまで戻りました。株価は前年に38000円の過去最高値です。

そして中東情勢です。かなりの既知感を感じています。

当時と大きく違うのは、当時の短期金利が7~8%くらいまで上がっていました。不動産バブルをつぶすために日銀が高い金利設定をしていました。最近はようやく日銀もマイナス金利解除をしましたが大きく異なります。今も一部不動産バブルですが金利の上昇はまだ限定的です。原油価格も当時は1バレル20ドルで今の1/4くらいでした。

失われた30年が過ぎ、ようやく日本も少し明るさが見え始めたなか、当時の再現にならないことを願います。

1990年以降は一方的に円高となり、バブル崩壊し、株価もずっと低迷したままでした。輸出企業はいつも円高が悩みの種でした。今では考えられないことですが。あとになってあの時気づいておけばということがよくあります。当時もバブルが崩壊して30年も低迷すると誰も思わなかったです。

1990年の既知感から今後どうなるかと予測は難しいですが、世の中はコントロールできないなかで動くので、どのような動きがあっても対応できる準備が必要なのかなと思います。

今でいえば金利が下がる可能性はなくいつ上げるかということでしょうし、為替はどちらに向かうか予想できませんが、どちらに動いてもいいようにするなどの準備です。特に外貨での多額の債権債務を持っている会社は要注意です。1ドルが100円になることも200円になることも可能性はあるので。

なお中東情勢がこれ以上悪化しないことを祈ります。またあとになって、2024年がバブル崩壊の初年度だったとならなければいいのですが。

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