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事務所通信

平成26年12月 Vol.30

■ゼンショーの大幅赤字

11月11日の新聞記事でゼンショーが今季の業績を従来予想の税引後利益13億円の赤字から75億円の赤字へ拡大とありました。すき家の牛丼で有名な会社です。気になったので過去のニュースや前期の決算書などを調べてみました。

今回の報道では労働環境改善のための深夜の一人勤務取りやめにより6割の店舗が深夜営業休止となり売上減少と書かれていました。今期は4月の消費税増税時に他の牛丼店と異なり税込売価の改定をしないどころか逆張りの値下げをしました。結果会社側の負担が増えたことになります。8月時点で今期見込みが赤字になったので価格の見直しをしたものの改善せず、今回赤字見通しが大きくなったとのことです。

これらの報道から想定されるのは過去の利益もかなり従業員の負担による店舗の回転率による利益で相当無理があったと思います。消費者としては安い牛丼がいいのですが外食産業全般が冷え込んでおり、今回の消費税増税や雇用関係に伴う会社側のコスト増など経営的に相当な圧迫があったことがわかりました。

経営的に考えると以下のようなことが言えると思います。

従業員の過度な負担に基づく利益は長続きしない
売上減少した場合は家賃などの固定費負担が重くなる。飲食店は特に回転率で固定費を薄めることが重要
価格戦略の難しさ
消費税価格転嫁の必要性

ちなみにゼンショーは、すき家が一番知られていますが華屋与兵衛など他の業態もあり、牛丼事業での売上は1800億円です。仮に牛丼290円が10%売価アップした場合は約320円となりますが、同じ数量がもし売れれば売上利益ともに単純には180億円増で黒字という計算ですが、数量の減少もあるのでそんなに簡単にはいかないです。

決算書をよく見ると借入には財務制限条項もついており2期連続の赤字の場合には銀行は強制的に融資を引き揚げることも可能です。経営の難しさをあらためて感じました。ゼンショーが今回の危機をどう乗り越えるか注目です。