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高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
平成27年5月 Vol.35
■5種類の利益
損益計算書には次の5つの利益があります。①売上総利益(売上高-原価)、②営業利益(売上総利益-経費)、③経常利益(営業利益+雑収入などの営業外収益-支払利息などの営業外費用)、④税前利益(経常利益+特別利益-特別損失)、⑤税引後利益(税前利益-税金)
■どの利益が重要か?
どの利益も重要ですが事業の内容により会社が重視すべき利益が異なってきます。物やサービスを売るために人件費や広告宣伝費などがたくさんかかる会社はこれらを引いたあとの営業利益が重要指標です。売上総利益がこれらの経費をカバーできているかどうかです。
一方経費がほぼ一定の会社であれば売上総利益が重要といえそうです。一定の経費をカバーすべき売上総利益がいくらかということです。金利支払が大きい装置型産業であれば経常利益を重視すべきかもしれません。営業利益と金利を比較するからです。このように業態により重視すべき利益が異なるので一概にどの利益を見なさいということではありません。
重要なのは経営のなかで管理すべき項目と指標となる利益が一致しているかどうかということのようです。
■バリュ-チェーンと利益の関連
業態により利益率は大きく異なります。まっさきに思いつくのは商社や卸売業の利益率は低いというイメージです。物の開発、生産、販売などのなかで最後の販売の機能のみを担っているからです。
開発費も製造コストも不要なため当然マージンは低くなります。ただし扱う量が大きいので大きな売上額となります。開発、生産、販売を一貫して行うユニクロの利益構造と商社の利益構造を比較してもあまり意味がありません。
比べるのであれば自社の前期や過去数年の実績との比較、予算との比較そして業界の同業他社の比較です。なかなか比較対象となるベンチマークを探すのも難しいですが、まずは自社の前期や過去数年の比較をすることから始めましょう。
私たちも「利益がいくらなので税金がいくらです。」だけの説明から脱却し、社長と一緒に結果の総括や分析の議論を行いたいと思っています。