高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
平成28年1月 Vol.43
新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。皆様の経営のお役に立つような情報を提供できればと思います。早々に硬い話で恐縮ですが・・
■在庫管理(その2)
前月は経営の切り口から在庫管理のネタでしたが、今回は経理や税務の切り口から在庫管理を取り上げます。
■税務調査と在庫管理
税務調査のときに必ず調べられるのが期末の在庫金額が適正かどうかです。期の最後に仕入れたものは期末に残っている可能性が高いため、それらを正しく在庫に計上しているかどうかの確認です。請求書だけでなく納品書でいつ入荷したのかどうかも確認が必要です。請求書が決算月になっていてもなんらかの事情で納品が翌月になっているような場合は翌期の仕入となります。
税務調査で指摘を受けることもありますが、その後それをきっかけに改善をしている会社もあります。発注書と納品書の消込、請求書と納品書のつきあわせ、毎月の在庫管理など本来やるべきことですがなかなかできていないことも多いです。この観点からも在庫管理の重要性がわかっていただけると思います。
税務調査は年間を通じての会社の利益が適正かどうかの確認ですが、会社は毎月の利益が正しく計上していないと経営判断を誤ることもあります。
■毎月の月次決算と在庫管理
会社の経営にとって経理が必要なのはいうまでもないですが、なかなか毎月在庫管理まではという会社が多いです。売上や仕入れの請求書は毎月発生ベースで入力していても在庫金額の把握ができていないと正確な毎月の原価や粗利の把握ができません。
■経理の役割
在庫管理が現場まかせになっている会社も多いですが、経理部門は在庫把握をしないと正しい月次決算ができません。期末に残っているものを数えるだけではく、在庫受け入れと払い出しを記録しあるべき残を毎月計算し、それを期末に現物確認するのがあるべき流れです。つまり発注から納品、払い出しの把握、残の確認、請求書と納品書を確認して支払を行うなどは経理の仕事です。ぜひ在庫も含めた毎月の月次決算を行いましょう。