高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
平成28年7月 Vol.49
■四半期決算はやめるべき?
前々回に続き原丈人さんですが「4半期決算開示の廃止」を推奨されています。日本でもグローバルスタンダードという英米スタンダードで上場企業は年に4回も決算の開示をしなければなりません。一年中決算をしている印象です。株主至上主義に基づく超短期での結果の追求です。原さんはこれをやめるべきと推奨していますが私もまったく同感です。そもそもゴーイングコンサーンの継続した組織を無理やり1年ごとに区切り決算で評価していますが、それをさらに毎回100日弱で評価などとはやりすぎです。もちろんどの会社も月次決算はやっていますがこれは内部の進捗管理などの経営目的で月次決算が重要なのはいうまでもありません。
■月次決算の重要性
一方私たちの領域である中小法人は対外的には年に1度の決算にも結構苦労しているのが実情です。それも公表するのは通常税務署と銀行のみです。本来は義務づけられていますが決算の外部開示を行っている非上場企業は本当に稀です。また中小法人では月次決算ができていない会社は非常に多い印象です。内部的な目的のためには月次決算は本来必要ですが経理処理をためてしまい決算のときにしかも期末がすぎてから数値をまとめる会社もあります。月次決算の目的は目標に向かって進んでいる会社がいまどこにいるかを確認し、目的を達成するための方法を考える手助けをすることです。経理は経営の羅針盤です。たとえば会社という船がアメリカを目指して航海に出ましたが毎月の進路確認を怠った結果、船は1年後に南極に着きましたといった具合です。毎月都度いまどこにいるかを確認すれば極端な到着地につくことも避けられたでしょう。ところが年次決算は義務なので南極にいながら航海記録としての決算を行うような印象です。
■月次決算の延長が年次決算
会計の目的は対外的な目的(財務会計)と対内的な目的(管理会計)とにわかれます。財務会計は株主や税務署のための会計で、管理会計は会社のための会計です。管理会計を通じて課題の早期発見とそれへの対応が重要です。年次決算ももちろん重要で必要ですが月次決算をやりましょう。月次決算を12回やり、結果年次決算ができ上げっているというのがベストです。