高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
平成29年2月 Vol.56
■赤字商品はありませんか?
先月は取引別採算管理の話でした。つまり赤字になっているお客様はいませんか?という質問でした。今回は赤字商品はありませんかという質問です。管理会計の世界ではいろんな切り口で数値を見て経営の改善に役立てるのです。会社の売上総利益(粗利)は商品ごとの粗利の合計です。いろんな商品を扱っている会社は利幅の大きい商品もあれば赤字の商品もあるのです。利幅の大きい商品は売れにくく赤字の商品は売れやすいということもよくある話です。仕入金額よりも売上金額が小さければその時点で赤字ですが、これはあまりないケースでしょう。売上から仕入を引いた金額の粗利が小さい商品(あるいは粗利÷売上の粗利率の悪い商品)などはよくあると思います。さらに販売経費がどれくらいかかっているかです。A商品とB商品があるとしましょう。Aは売価1000円、原価700円で粗利300円でした。B商品は売価1000円、原価800円で粗利200円でした。当然Aのほうが粗利は高いのですが、売るための販売費用やアフターサービスにAは400円かかり、Bは100円かかった場合は経費も引いた利益はAがマイナス100円、Bはプラス100円ということになります。商品ごとの粗利と経費の比較を行って初めて商品別の利益の確認ができます。もちろん理屈のうえでは可能ですが現実には経費の集計は商品別に行わないのでなんらかの基準で集計します。たとえば営業社員の持ち時間のうち、どの商品に時間を使ったかの日報をつけて営業社員の費用を商品別にわけるのです。もちろん管理のために余分な費用ばかりかかれば本末転倒ですが。
営業マンに売上目標だけを設定していると売れやすい赤字商品の比重が高くなり会社は儲かりません。それを解決するためには営業マンごとの粗利管理も必要になってきます。
■プロダクトミックス
上記のような商品別の集計まではいかなくても毎月の粗利率の推移の把握は必要です。プロダクトミックスという言い方をしますが、粗利率はどの商品の売れている比率が高いかによって変わってきます。
当然毎月棚卸をしなければ毎月の正しい粗利は把握できません。毎月の棚卸のできていない会社はまずはそこから始めましょう。