高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
平成30年3月 Vol.69
■マトリクスで管理してみよう
今回は売上や利益の管理をマトリクスで見てみようという内容です。たとえば東京、大阪、名古屋に商品AからCまでの3種類の商品を売る会社の売上は以下の表のようなイメージです。
東京 | 大阪 | 名古屋 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
商品A | ||||
商品B | ||||
商品C | ||||
合計 |
一般的には地域ごとに責任者や担当者がいるので地域別の集計がメインになると思います。地域ごとで売上、原価、経費を把握し売上-原価-経費で利益が出ているかどうかを見ます。地域の合計が会社の合計です。部門コードを作ることで集計しやすくなります。
東京 | 大阪 | 名古屋 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
売上 | ||||
原価 | ||||
経費 | ||||
利益 |
一方、商品ごとにプロダクトマネージャーがいるような会社の場合は、商品別に売上、粗利を集計して採算性を把握しますが、さらに経費も商品別に集計や按分するケースもあります。商品別の粗利とそれを売るための経費を比較して経費も考慮に入れたあと儲かっているかどうかを把握するのです。商品Aの粗利は低いですが、手離れがよく販売経費がほとんどかからないのに、商品Cは粗利が大きいが販売経費が大きくかかる場合、どちらの商品に注力すべきかなどです。
商品A | 商品B | 商品C | 合計 | |
---|---|---|---|---|
売上 | ||||
原価 | ||||
経費 | ||||
利益 |
商品ごとに経費を配布や按分することは実務上は難しいですが、理論上は商品ごとに売り方が大きく異なる場合には把握できれば本当の採算性が把握できることとなります。プロダクトマネージャーの評価にもつながりますし、会社としてもどの商品に注力すべきかなどもわかります。現実には難しい管理ですが、事業の課題を見つけ、対応をするためにはこのような管理方法もあることの紹介でした。