高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
平成31年5月 Vol.83
■令和元年
新しい時代が始まりました。どのような時代になるのでしょうか?いい時代になるといいですね。
今回はなんとなく昭和から平成に変わったときに似ているところがあるように思います。私が社会人になったときですが、当時を懐かしがりながら30年前と現在を少し比べてみたいと思います。
まずはバブルです。今回はオリンピックもあるので東京を中心に地価が上がっているようですが、30年前のバブルに比べれば大きさは違いますね。80年代半ばのプラザ合意による急激な円高と行き過ぎた金融緩和、金余りで不動産への過剰融資、地上げなどがありました。株価も同様です。平成元年に日経平均が38,000円を超えました。その後の崩壊もすごかったですね。私は財務部門で仕事をしていましたので株価が下がり続けるのを仕事を通じて実感していました。
最近よく平成元年には世界の株式時価総額の上位5社がすべて日本の会社だったという記事がありますが、いかに異常な株価だったかということです。日本的な株式持ち合いもありました。最近の株価はそこまで異常値ではないと思いますが、最近気になるのは日銀がのきなみ上場会社の筆頭株主であることです。30年前の株式持ち合いが日銀筆頭株主に変わった点です。
次に人手不足です。平成元年から平成3年ごろまでの大企業の大量採用で私たちはバブル世代と言われました。一方では中小零細企業などは好景気のため人の採用ができず労務倒産の心配などもありました。その後のバブル崩壊により今度はまったく逆になり仕事探しが難しくなりました。極端ですね。今回も2年前までは銀行などが大量採用していましたが、最近ではAIによる仕事の置き換えにより採用が急激に絞られました。
明らかに違うのは年齢です。総務省の統計で平成2年の65歳以上の全人口比率は12%でしたが、平成29年で27%となっていました。約30年で65歳以上の比率が売以上になりました。超高齢化時代です。特にこの10年で街を歩く人に占める高齢者の比率が増えた気がします。令和の時代はさらに高齢者が増えますので高齢者が住みやすい社会であることがなによりも重要です。IT社会もお年寄りに優しい社会であればいいですが、キャッシュレスなどを無理やり進めると、また新しい詐欺などが増え、お年寄りが被害にあいやすくなることを危惧します。老人の運転する車の事故もあとをたちません。令和の時代は超高齢化社会をどうしていくかに尽きるような気がします。
とりとめのない内容になりましたが、令和が優しいいい時代になることを祈願して今月の事務所通信としたいと思います。