高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
令和3年2月 Vol.104
■在庫管理
あるお客様より在庫管理システム導入の相談を受けました。中小企業の業務の課題で多いのは在庫管理です。毎月経理を行っていても月末在庫金額の把握がないため年度初めの在庫金額のままの試算表の会社もよくあります。その場合仕入れが多いがまだ売上が上がらず在庫になっている場合でも帳簿上の在庫金額が変わっていないので業績が悪く見えたりします。
やはりできれば概算でもよいので毎月在庫金額を把握して月次試算表に反映したいものです。
私も海外の販売会社で仕事をしていたときに在庫レポートがうまく出せず苦労した記憶があります。当時は経理上在庫評価を「先入先出法」という方法がグループ会社の共通の方法でした。受発注システムを通して在庫金額を把握しますが、そのシステムでは最新の単価での把握のため、会計上採用している方法と異なる金額での把握となっていました。現地のスタッフからは「先入先出法」だとすべての在庫の入出庫の履歴を把握する必要があり、商品数が多くまた毎月変わる為替レートの問題もあり、方法を変えてくれと何度も言われました。
私のいた経理部門では在庫レポートを出すのはシステム部門の仕事で在庫管理は物流部門の仕事とスタッフは割り切りがあり、経理はこれらの数値をもらえて当たりまえという意識が強く、他部門との軋轢もありました。小さな会社なので経理部門は他部門の仕事ともうまくかかわりながらやっていきたいところですが、私も経験不足で言葉も不自由でなかなか役に立たずほろ苦い記憶だけが残っています。今もう一度その仕事をしていたらどうしていただろうかと思います。
さていつもと同じ話ですが、経理部門は会社の業務を把握することがとても重要です。法律や規則も知りながら世の中のルールに沿った処理も必要ですが、会社のための経理という意識を持つと視野が変わります。まだ月次の在庫管理をされていない会社は経理が中心になり在庫管理をしましょう!仕入の発注管理から商品の入庫、払い出し、データ上の把握と実地棚卸などが一連の流れです。これらを把握することにより在庫発注のタイミングや資金繰りとの関連など会社に役立つ経営管理ができるようになります。それらを通じて正しい月次数値の把握もでき、毎月の社内向けの業績把握もできるのです。
システムを使うかエクセルで行うかなどは自由ですが業務の仕組みが重要です。以前にも書きましたがある会社では月に1度の発注を毎週発注に変えることにより在庫金額を半減することが出来ました。
業種にもよりますが多額の在庫により借入金も多く必要な会社などは在庫管理により資金繰りが改善し借入金を削減することも可能なケースもあります。まずは出来ることから始めてみましょう。