高橋和徳税理士事務所が毎月お送りするレポートです。
事務所通信
令和6年3月 Vol.141
■株価最高値
2月に日経平均株価が、1989年のバブル最高値38,915円を超えて、史上最高値をつけました。その間35年の間に、最安値は2008年10月のリーマンショック時の7,162円だったので、そこから見れば株価は5倍以上になったということです。
私の理解では、1989年の株価は実力以上の価格で、2008年の株価も実力以下の株価だったと思っています。
では実力値とはなんでしょうか?
企業の収益力(利益やキャッシュフロー)とその期待値です。PERという指標がありますが、これは株価が企業の利益の何倍になっているかという指標です。
例えば、1株あたり100円の利益の会社の株価が2000円であれば、PERは20倍です。20年分の利益が株価となっています。20倍くらいのPERが一般的と言われることもあります。バブルのときは、PERがものすごく高い数値だったようです。期待値が高すぎたのです。
昔、会社でM&Aなどの仕事を少ししていたときに、非上場の会社を買うときの買収価格が利益の10倍くらいが一つの目安でした。
これは10年分くらいの事業計画を作り、その利益を現在価値に割り戻したDCFという計算方式を使いますが、非上場の会社の買収価格の一つの目安がそれくらいだったと記憶しています。その会社の売上高利益率(ROS)が10%であれば、その会社の売上高ぐらいで買収価格が決まった事例がいくつもありました。
■NISA
偉そうに勝手な解釈を書いてきましたが、個人的にはほとんど投資をしていないことが最近の株価を見て残念に思います。
NISAとは2014年に始まった少額投資非課税制度でそこでえた利益に税金がかからないものです。もう10年になるのに私はこれまで面倒でやっていませんでした。10年前からやっておけばと思いますが仕方ありません。少し遅いですが今のPERが適正だと信じてこれから始めようと思います。
問題はなにを買うかです。すでに今の株価が高すぎると思うのであればこれから買うことは出来ないし、まだ上がると思えば買えばいいのですが、なかなか難しい状況です。
昔から言われている、ドルコスト平均法という一定金額を毎月投資していく方法がよいかもしれません。同じ1万円でも株価1000円のときは10株買え、株価2000円では5株買うというぐらいです。毎月こつこつとできる範囲で貯金をしていくイメージです。
デフレの時代はキャッシュイズキングでしたが、ようやくデフレが終わり金利のあるインフレの時代なので現金を持っているだけでは目減りします。無理のないところで少し資産運用を考えてみようと思います。
もちろん下がることはあることも理解したうえで、少し遅いですが始めてみます。